◇苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)

苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)は、非常に強いアルカリ性を持つ化学物質であり、その強力な作用から、家庭での利用には細心の注意が必要です。

 

●苛性ソーダの危険性

苛性ソーダは、以下のような危険性を持っています。

 

  • 強い腐食性(皮膚・眼・粘膜への影響)

    • 皮膚に付着すると、タンパク質を分解する作用により重篤な薬傷(やけど)を引き起こします。希薄な溶液でも、繰り返し接触すると皮膚炎や慢性湿疹の原因になります。
    • 眼に入ると、結膜や角膜を激しく侵し、視力低下や最悪の場合失明に至る可能性があります。
    • 誤って飲み込むと、口腔、咽喉、食道、胃などの粘膜に炎症を起こし、消化器系の組織を深く侵すことがあります。
    • 粉じんやミストを吸入すると、気道に様々な程度の傷害を引き起こし、咳、呼吸困難、さらに肺水腫やショックを引き起こす可能性があります。
  •  
  • 発熱性

    • 水に溶かす際に非常に激しく発熱します。特に、苛性ソーダに水を加えると急激な発熱により突沸し、液が飛散して大変危険です。必ず「水に苛性ソーダを少しずつ加える」のが基本です。
  •  
  • 金属との反応

    • アルミニウム、スズ、亜鉛などの特定の金属を腐食させ、可燃性の水素ガスを発生させることがあります。
    •  
  • 法律による規制

    • 日本の「毒物及び劇物取締法」により、「劇物」に指定されており、5%を超える苛性ソーダ溶液も劇物となります。購入時には身分証明書や印鑑が必要となる場合があります。また、「有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律」により、家庭用品として使用される場合、その含有率が5%以下に規制されています。
    •  

●家庭での利用方法(厳重な注意が必要)

苛性ソーダは危険性が高いため、安易な使用は避けるべきです。しかし、その強力な性質から、以下の用途で利用されることがあります。

 

  1. 排水管の詰まり除去

    • 油脂や髪の毛などのタンパク質汚れが原因の詰まりに効果的です。
    •  
    • 手順例(極めて慎重に)

      1. 保護具(ゴーグル、厚手のゴム手袋、マスク、長袖の服など)を必ず着用します。
      2. 換気を十分に行います。屋外や風通しの良い場所で行うのが理想的です。
      3. バケツに常温の水(200ml程度)を入れ、そこにゆっくりと苛性ソーダ(10〜20g程度)を少しずつ加えながら、熱に強い棒などでゆっくりかき混ぜて溶かします。絶対に苛性ソーダに水をかけないでください。
      4. 溶かした液を、詰まった排水口にゆっくり流し入れます。
      5. 30分〜1時間ほど放置し、汚れを分解させます。
      6. 最後に、大量の水を勢いよく流し込んで洗い流します。熱湯は突沸の危険があるため、避けるべきです。
      7.  
  2. 手作り石けんの材料

    • 油脂と苛性ソーダを混ぜることで「けん化」反応を起こし、石けんを作ることができます。
    •  
    • 注意点
    • 専門的な知識と厳重な安全管理が求められます。使用する油脂の種類や苛性ソーダの分量、混ぜ合わせる器具の素材など、細かな注意が必要です。初めての場合は、専門書や講習会などで十分に学び、経験者の指導のもとで行うことを強く推奨します。
    •  
  3. 頑固な油汚れの掃除

    • シンクや換気扇など、アルカリ性に強い材質の頑固な油汚れに効果を発揮します。
    •  
    • 手順例(極めて慎重に)
      1. 上記同様、保護具と換気を徹底します。
      2. 水5Lに対し大さじ1杯程度の苛性ソーダを、ゆっくりと水に溶かして洗浄液を作ります。
      3. 洗浄液を雑巾などにしみこませて、汚れを拭き取ります。
      4. 汚れを拭き取った後は、別のきれいな雑巾で水拭きをしっかり行い、最後に乾拭きします。
      5. アルミ製品や塗装面、木材など、アルカリ性に弱い素材には絶対に使用しないでください。変色や腐食の原因となります。スプレーボトルに入れて使用することも危険です。

 

●苛性ソーダを扱う際の絶対的な注意点

 

  • 保護具の着用

    • 必須:防護ゴーグル(または顔面シールド)、厚手のゴム手袋、マスク、長袖の厚手の作業着などを着用し、肌を露出させないようにします。
  • 換気の徹底
    • 作業中は窓を開けるなどして、十分な換気を確保します。粉じんやミストの吸入を防ぐためです。
  • 水の加え方
    • 絶対厳守:「水に苛性ソーダを少しずつ加える」が基本です。逆(苛性ソーダに水を加える)は、急激な発熱・突沸を引き起こし、非常に危険です。
  • 保管方法
    • 密閉できる容器に入れ、直射日光の当たらない涼しい場所で、子供やペットの手の届かない鍵のかかる場所に保管します。誤飲防止のため、食品や飲料の容器に絶対に入れないでください。
  • 廃棄方法
    • 使い残した苛性ソーダや使用済みの液は、そのまま排水口に流してはいけません。少量の場合は、重曹(炭酸水素ナトリウム)で中和してから大量の水で流す方法もありますが、不安な場合は専門の廃棄業者に相談するか、購入した薬局に問い合わせてください。空容器も水でよくすすぎ、「劇物容器」として自治体の指示に従って廃棄します。
  • 応急処置
    • 皮膚に付着した場合:直ちに汚染された衣類をすべて脱ぎ、多量の流水で皮膚を十分に洗い流します。
    • 眼に入った場合:数分間、清潔な水でまぶたをしっかり開けたまま洗い流し、コンタクトレンズをしている場合は取り除き、速やかに眼科医の診察を受けてください。
    • 飲み込んだ場合:無理に吐かせず、口をすすぎ、直ちに医師の診察を受けてください。
    • 吸入した場合:新鮮な空気の場所に移し、楽な姿勢で休息させ、必要であれば医師の診察を受けてください。
    •  

苛性ソーダは非常に危険な物質であることを十分に理解し、安易な気持ちで扱うことは絶対に避けてください。

家庭での使用は、他の安全な洗剤や方法で解決できない場合の最終手段と考えるべきです。

(てこパカ)

 

チェックさん(^_^) 清掃サービスのご案内

☆チェックさん(当事業所)では、以下の条件をお願いしておりますので、ご理解いただけますと幸いです。
・充分な時間 お掃除には十分なお時間の確保をご検討くださいますようお願いいたします。
  • ・水の使用 清掃時に水を使用させていただきます。
  • ・エアコンの使用 ワックスを塗布する際には、エアコン等をご使用いただくようお願いしております。
皆様のご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。
 
☆チェック・コーポレーション ビルメンテナンス事業部 へのお問い合わせ
些細なことでも急ぎの場合でも、下記のお問い合わせフォームまたは電話にご連絡ください。
【担当者直通】090-1587-1490 江波 政宏
  • 対応エリア】彦根市中心に滋賀全域
  •  
☆サービス内容
  • クリニック清掃
  • 店舗清掃
  • 福祉施設清掃
  • ハウスクリーニング
  • 退去後の空室清掃
  • 建築美装
  • ビル清掃メンテナンス 等

 

お問い合わせいただいた内容やお客様の個人情報は、当社の個人情報保護方針に基づき、厳重に管理いたします。

一覧ページに戻る